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Send to・・・・・_c0112583_11504863.jpg小学生の頃は
毎日、自転車に乗っていた。
ある日のこと。
近所の友達と遊んだ帰り道、
いつしか 競走になっていた。

そいつは年下だったけど、
段々、身体がが大きくなってきて、
“こいつには 負けちゃいけない”
きっと そう思ってた。

空気を一杯吸い込んで
息を止めて、目をつぶって、
ペダルを力一杯蹴りつけた。

身体が 一瞬無重力になり、
勝った、と思った 次の瞬間。
心臓も止まりそうな
冷たい奈落の底へ。

思わず 目を開けて見上げると、
色の無い 灰色の水の中に
太陽が滲んで見えた。

暦は正月を越えた頃。自転車ごと どぶに落ちた俺は、それでも やせ我慢して、平気なフリをしていたけど、本当はとても寒かった。

どんなに必死でも、目は開いてないといけない。 多分、 そのときに会得した。
by shigekings | 2007-04-14 11:44 | 回顧録
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